週末、飛行機・自動車関係のイベントが見つからなかったので、AlamedaにあるUSS-Hornet Museumに行ってみました。
空母の博物館です。例えるなら氷川丸の空母版。まあ、氷川丸は客船で、こっちは戦闘艦ですが。
アメリカに住んでいた時から存在は知っていたのですが、なぜか行かなかったんです。それなので、今日が初めて。
ホーネットに関しては、日本語のWikiPediaにも記事が載っていたので、詳細を知りたい人は参照してください。
ホーネット(CV-12)@Wikipedia
簡単に説明すると、第二次大戦中に進水して、日本に大打撃を与え、のちにジェット機対応に改装され攻撃型空母となり、第7艦隊に加わり、アポロ計画にも参加して、月から帰還した11号の宇宙飛行士を収容し、大統領との対面を館内で果たすなど、歴史には事欠かない艦艇です。
艦内のいたるところに、対日攻撃の記録が展示されていて、日本人の私は微妙な気持ちになりますが、私が生まれる前の事ですから問題ありません。
少し話がそれますが、第2次大戦関係の博物館に行くと、敗戦国である日本と戦勝国であるアメリカとの違いをまざまざと感じます。日本の戦争関連博物館は、戦争の悲惨な側面を強く強調しますが、アメリカでは淡々と史実を展示しているものと、活躍した人の功績を称えるものがほとんどです。
空母と言えば飛行甲板。映画では、乗組員が体力維持のために飛行甲板でジョギングしているシーンがありますが、甲板に上がってみると、ジョギングするには十分な広さです。ジムカーナ競技だってできそうです。思わずジョギングしたくなりますが、走るのは禁止されています。
そのカタパルトを駆動するのがこのシリンダー。油圧ではなく、エンジンタービンを回すのと同じスチームを利用しています。
艦内の70%は、自由に見学できますが、機関室やアイランドは危険で狭いので、ガイドツアーになります。
私が入ったグループのツアーガイドはこのおじいさん。実際の乗組員だったそうです。
他のグループのガイドには若い女性もいましたが、こういう物の説明には、実際に乗組員だったという人から話を聞く方が、何か迫力というか真実味を感じます。
これが機関室の操作パネル。
私、艦船には詳しくなかったので初めて知ったのですが、
ブリッジで、
「第3戦速!ヨーソロー」(あ、ヨーソローは日本語ね。)
とか言って、スロットル?をチリンチリンて鳴らしながら動かしていたりするシーンを映画で見ますが、あのスロットルはただ機関室に知らせるだけのもので、実際のスロットルは機関室のここで操作しているのだそうです。ブリッジでチリンチリンってスロットルを動かすと、こっちでもチリンチリンって鐘が鳴って、速度表示が変わります。ここには速度計も付いていて、このハンドルで蒸気圧などを調整しながら第3戦速にしていたとのこと。
ちなみに、エンジンはディーゼルではありません。蒸気タービンです。ホーネットは通常艦ですが原子力空母の場合は、蒸気を作り出すボイラーが原子炉なだけで、それ以外の仕組みは同じだそうです。ホーネットの場合、最大速度は35MPHと言ってました。アメリカで一般道の制限速度と大体同じです。こんな大きなものを、そのスピードまで上げられるとは。
ところで、上の方で「機関室やアイランド」と書きましたが、「アイランド」って何?と思われたと思います。アイランドというのは、これ。
飛行甲板の脇にあるやつ。私はブリッジと言うのだと思っていましたが、空母ではアイランドと言うそうです。
格納庫。実際はかなりの大空間なのですが飛行機が入っちゃうと、意外と広くない印象です。
士官の部屋。机があったりして戦闘艦なのに意外と広いと思いました。しかし、水兵には部屋がなく、天井から吊り下げられた3段ベッドに寝るらしいです。
やはり、軍隊に入るには大学を出てから入隊し、士官となることをお勧めします。
戦闘艦、特に空母というのは男の子の憧れですね。現代では艦隊の旗艦を務めるし、他のすべての艦艇は空母を守るためにあると言っても過言ではありません。世界のどこかで緊張状態になると、空母一隻を行かせるだけで、相当な睨みを効かせられるわけですし、武器の中では最強でしょう。
これまで、平凡なサラリーマンで過ごしてきてしまったわけですが、最近は軍隊に入るのも良かったかもなぁ、と思うこともあります。その方が充実した人生を過ごせたかもしれない、と思うのは、アメリカで言うところのMidlife Crisisというやつで、日本語に相当する言葉があるのかどうか知りませんが、たぶんあるでしょう。
人生をリセットできるなら、次は海軍士官学校に進んでパイロットか、海軍士官っていうのがいいなぁ、なんて思いました。