VIN Matched

今回のBarrett-Jacksonオークションの出品車両を眺めていて、興味深いものを見つけました。

120109-1
この写真の2台。セットで落札することを条件として出品されています。奥が1994年式ZR-1。手前が2009年式ZR1。ただ色が揃っているだけなら、何も珍しい事はありません。アメリカではコルベットの複数台所有は珍しいことではなく、色を揃えている人も少なからずいます。
なぜこの2台がセットなのかというと、VINに秘密があります。
1994 ZR-1   #1G1YZ22J2R5800074
2009 ZR1 #1G1YR26RR295800074
VINの下7桁が一致しているのです。

確認されている限りでは、VINが一致している唯一のセットだそうです。

実は現在、コルベットは注文時にVINを指定することが可能になっています。しかしそれが可能になったのは2011年からで、2009年当時はVIN指定は不可でした。
説明書きによれば、2009年モデルの方はVIP Deliveryのオプションが選択されているということなので、おそらくオーナーがGMに掛け合って、一致したVINとなるように生産調整してもらったのだと思われます。GMは巨大メーカですが、コルベットを生産しているBowling Greenの工場は、コルベットマニアの個人的な要望に応えるための様々な特別処置を過去に何度も行っていることは知られています。すでにZR-1を所有している人が、VINの一致した新ZR1を所有したいと考えた場合、Bowling Greenだったら対応してくれた可能性は高いです。

この辺のエピソードも、調べるときっと出てくるのだと思います。こういう事があるので、コルベットにはフェラーリやランボルギーニと同様に伝説が数多く存在し、研究者を飽きさせません。