北カリフォルニアのHollisterという小さな町で行われたAirshowに行ってきました。
日本で航空ショウとか航空祭というのは、軍の基地で行われていることがほとんどで、しかも大混雑だと聞いています。アメリカでも、そういうAirshowはもちろんあって、空軍のThunder Birdsとか海軍のBlue Angelsなどが来てアクロバット飛行を披露するのですが、そういうものよりも、アメリカではもっと小規模の、地元のお祭り的に行われるエアショウの方が数としては断然多いのです。
アメリカでは飛行機はとても身近な存在で、大抵どこの町にも空港があります。このHollister Airshowは、そんな市民空港で行われたショウです。今年で2回目だそうです。
滑走路わきに2列に椅子が並べられていて、そこに思い思いに腰かけて、ショウを見学します。ショウをやっている最中も、人の入りはこのくらい。
サンドイッチを食べながら、のんびりと眺めます。
入場料は$10。渡されたプログラムは、ワープロで手作りされ、インクジェットプリンタで出力したものをカラーコピーしてホチキス止めという、手作り感たっぷりです。
ここに入るのに、渋滞も何もありません。
演技を終えた飛行機が、パイロットの表情が見える距離をタキシングしていくので、こんな風に手を振るとパイロットも降り返してくれます。今回、コンパクトカメラしか持っていなかったので、演技中の飛行機の写真は上手く取れませんでした。
日本のエアショウではジェット戦闘機による演技が花形だと思いますが、こういったアメリカのエアショウでは、WW2時代のプロペラ戦闘機、War birdが花形です。戦闘機はWW2以降ジェットが主流になったので、WW2末期のP-51などはプロペラ戦闘機の最終形態です。ただし、戦闘機は最高速度は出ますが大きくて重いので、エアロバティックスにはあまり向きません。
これらの飛行機はみな近隣のエアポートを拠点としています。北カリフォルニアはネバダ州のリノが近いこともあって、ほとんどはリノのエアレースにも出場しています。
私にとっては久しぶりのエアショウでしたが、馴染みの機体ばかりで懐かしかったです。
この種のエアショウでのもう一つの楽しみは、展示機体の見学です。ほとんどが個人所有の趣味の機体です。オーナーが傍にいれば、色々と話を聞くこともできます。
クルマもそうですが、飛行機も昔の機体の方がデザインのバリエーションが豊富で、見たが楽しめます。
これは、私の昔からのお気に入りの機体です。カッコいいでしょう。
たとえば、最新のF-22とか、あるいはF-15やF-16などの主力戦闘機も私は数多く見ていますが、そういうジェット戦闘機よりもこういうのが飛行機として心に訴えかけてくるものがあります。
上の機体のコックピット。シンプルでいいですねぇ。
ああ、ここも「飛行機」って感じです。CRTとかHUDとかあっちゃイカンですよ。これこそ、飛行機械って感じじゃないですか。
バイプレーン(複葉機)もいいです。というか、私は複葉機の方が単翼よりも好きです。なにしろ見た目がカッコいい。
これまで紹介したのは、本当にクラッシック機でそれなりに手間暇かけてメンテ/レストアしなれければなりませんが、これなら現在でも新機として購入できます。よく知られているピッツスペシャル。現代の複葉機で、エアロバティックス目的に設計されています。
こういう機体は、いくらくらいで購入できるか知ってます?
以前、アメリカ在住のときに趣味として飛行機をやろうかなぁ、と少し考えたことがあって、そのときに中古機でピッツスペシャルを考えてました。紹介された中古機は4万ドルでした。たとえば、セスナの2座の中古機なら2万ドルくらいから買えます。
それで、空港にこんな格納庫を借りるわけですよ。
大抵、飛行機趣味の人の格納庫には、他にも趣味車が入っていたり、ソファとかTVセットとかも入れていたりして、飛行機だけじゃなくて趣味の城にしているんです。
都市部の空港の格納庫は高いですが、クルマでフリーウェイを30分も走って砂漠の中の田舎の空港の格納庫だったら、東京で月極駐車場を借りるよりも安いくらいです。
アメリカに永住するならやっちゃってましたが、結局日本に戻ってきちゃったので、グライダーを操縦する程度で終わらせてしまいました。
この種のエアショウに行くと、自分の手が届かないものでもなかったので、色々と考えてしまいます。
飛行機趣味の方向性として、アメリカではホームピルドも盛んで、そのためのキットもたくさん出ています。
この飛行艇。オーナーに話を聞いたところ、製作に2200時間かかったそうです。会社を定年退職したあとに、この飛行機を組み立てたと言ってました。ここには奥様と一緒に来ていて、そういう老後の過ごし方は理想的です。
日本のエアショウとの違いの一つとして、飛行機で会場入りする人たちがいるということです。展示機は当然ですが、別に駐機場も用意されています。
これは飛行機で来た人たちの帰りの列です。クルマは渋滞していませんでしたが、飛行機は渋滞していました。
帰り道。空港を出てすぐの通りです。
まあ、こんなところなので騒音問題とかもないわけです。土地が広いというのは、それだけでかなりのアドバンテージです。