BMWとPontiac

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これは、うちのZ4のラジエター・グリルです。BMWのラジエター・グリルのデザインは、昔から一貫したデザインとなっていることで有名です。このグリル・デザインをキドニー・グリル(Kidney:腎臓)と言います。ただし、Kidneyは英語で、ドイツ語で「腎臓」はNiere。キドニー・グリルという名称は英語圏で発生したと思われます。ドイツでは何と言うのでしょう。
それはともかく、BMWのこのデザイン。私が子供のころは「ブタ鼻」とも呼んでいましたが、時代とともに少しずつ形状が変わります。

 

 

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さて、このクルマ。BMWの新型Z1のコンセプト・モデルです。

 

というのは、真っ赤なうそです。でも、思わず信じてしまうでしょう?
このクルマは、Pontiac Solistice。アメリカで人気のロードスターです。このラジエター・グリルはBMWと似ていますが、真似したというわけではなく、Pontiacも伝統的に、こういうグリル・デザインを採用しています。Pontiacの場合は、"Sprit Grill"という名称で、車体の中央でグリルを分割するのが、伝統です。

 

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アメリカでは名車として扱われているPontiac GTOもSprit Grillですし、

 

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415HPの6.2L V8エンジンを搭載する最新のPontiac G8もSprit Grill。

BMWのキドニー・グリルの横幅が時代とともに広がって大きくなったのに対して、Pontiacは横幅を縮めて小さくなってきたので、結果として両者のラジエター・グリルのデザインが、似通ってしまったのでした。
G8もエンブレムがなく、クルマに詳しくない人ならBMWと勘違いするかもしれないですね。実は、先のSolisticeの写真も、わざとPontiacのエンブレムを消してみました。

 

さて、このPontiac。日本ではあまりなじみがないGMのブランドです。日本で最も知られたPontiacのクルマと言うと、ファイヤー・バードのなかのホットバージョンであるトランザムでしょう。
PontiacはGMのなかで、実験的、先進的なクルマや、スポーティなクルマを担当していた部門です。
前述のファイヤー・パードはスポーティー・カーです。1980年に5LのV8にターボを搭載して世間を驚かせました。
フィエロというGM唯一のミッドシップ・2シーターを大成功させたのもPontiac。このフィエロは大量生産車でありながら、スペース鋼管フレームを持っていて、ランボルギーニのようなスーパーカーと同じ基本構造で、世間が驚きました。
Solisticeは、小型・オープン2シーターとしてヒットしました。このSolisticeなんかは、日本でも欲しい人がいると思うのですが。
そのPontiacもGMの事業再編の一つとして、2010年で消滅します。私もトランザムを持っていた時期があって結構お気に入りだったし、アメリカ在住時は同僚がフィエロを改造して楽しんでいたのを見ていたので、わりと好きなブランドだったのですが。
Pontiacがなくなるのは、だいぶさみしく感じます。

 

日本人の多くの人は、Pontiacのグリルを見てBMWに似ていると思うでしょう。しかし、私はうちのZ4のグリルを見るたびにPontiacだよな~、と思ってしまいます。