サーキットを疾走れ!!

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図書館で見つけました。
レースを見に行くことが趣味の主人公が、先輩に誘われて軽自動車の4時間耐久レースに出る話しです。
毎年、夏にK4-GP 富士1000Km耐久に出ている私としては、とっても気になるストーリーで、あっという間に読了したのですが、はっきり言って面白くなかったです。
レースに出る準備はすべてお膳立て済み。主人公は先輩が指示に従って行動するのみ。レースは順調で、初めてのレースなのに3位でゴール。でも、クルマはほとんどノーマルで、安く仕上がっていることが強調されています。
これじゃあ、あまりにも簡単すぎてつまらない。小説なんですから、もう少しドラマチックに書かれていてもいいと思うし、実際に私が参加しているK4-GPでは10時間の間にもっとさまざまなドラマがあります。それに、文章が絶対的に年寄り臭くてすべてにおいて説教調で、うんざりしました。
出版されたのは1995年。ちょうど私がA級ライセンスを取得して、JAFのレースに出ていた頃です。軽自動車の耐久レースは、その頃からやっていたらしいですが、当時の私はそんな事は全然知りませんでした。意外と、この手のレース(文中ではJAFからのクレームを恐れたのか、計時付き走行会だと強調している)は、盛んだったのですね。「松戸家」という名称で、今のK4-GPを主催しているマッドハウスなどが出てきていて、マッドハウスはこの頃から軽自動車にスポーツカーやレーシングカーのボディを被せたものを作る活動をしていたのだと知りました。

高斎正と言えば、レース小説作家として有名だと思うし、私も若い頃は結構夢中になって読んだものですが、この小説はがっかりでした。
最近は、高斎正の新刊を見かけないので、今はどんな活動をしているのかなぁ、と思って調べてみたら、こんなサイトを見つけました。
http://homepage2.nifty.com/ALC/kousai-kounar.html
この中でエッセイとか読んでみると、かなり説教臭いというか文句ばっかり言って昔を懐かしんでいるジイさん、という印象で、残念でした。あまり小説家の手記などは読むものではないですね。
若い頃は、「日産かルマンを制するとき」とか、ナショナリズムを刺激されて感動した記憶がありますが、日本の自動車メーカが世界中のレースで活躍するようになった今、再度読み直すと陳腐化しているかもしれません。