ここで入手したGMCRV2をコルベットにインストールする前に、このデバイスが何をしているのかを考えます。理屈のわからないものを取り付けるのは嫌な性分なんです。残念ながら、マニュアルには何をしているのかが書かれていないので入出力から見当をつけるしかありません。
まず、コルベットのオーディオシステムの回路図を見ます。必要なのは、次の3枚です。
回路図は、それぞれをクリックすると大きく表示します。
これを見ると、コルベットのオーディオヘッドユニットは通常の4chのスピーカー出力の他に、4chにフロント・センタースピーカーを加えた5chのライン出力を持っていることが判ります。この5chのライン出力は、BOSEのシグナルプロセッサに入力され、このシグナルプロセッサが、左右のドア内に仕込まれているサブウーファー用のライン出力を作り出しています。サブウーファーのライン出力は、左右ドア内に独立して設置されたアンプによってスピーカー出力に増幅されて、サブウーファーを駆動します。
普通にヘッドユニットを交換した場合、4chスピーカー出力だけを接続することになって、サブウーファーは機能しなくなります。
次にGMCRV2の入力を見てみると、ヘッドユニットのスピーカー出力4chとアンテナコントロールを入力することになっています。そしてGMCRV2の出力は、回路図のC1、C2とC4のコネクタを持っています。ケーブルを追ってこれらの入出力の関係を調べてみると。
ヘッドユニットのリアスピーカー出力は、そのままC2-17,18,19,20に接続されています。すなわち、GMCRV2は何もせず、直接リアスピカーに繋がっています。
フロントスピーカーの出力は、GMCRV2に入力されてます。そしてGMCRV2からはC1-1,2,3,4とC4-9,10,13が出力されています。C1-1,2,3,4はフロントスピーカーを直接駆動する信号です。C4-9,10,13は、それぞれ左前のライン出力+、右前のライン出力+、前センターライン出力の-です。
したがって、GMCRV2はヘッドユニットのフロントスピーカーの出力から、フロント+センターのライン出力を作り出し、BOSEのシグナルプロセッサに入力していることになります。
ここで疑問が一つ。BOSEのシグナルプロセッサには左前のライン出力+、右前のライン出力+、前センターライン出力の-だけが入力されており、それぞれの逆極性の信号が入力されていません。たぶん、グランドラインがそれを兼ねているのだと思いますが、それでも問題なく作動するのかどうか?まあ製品として売られているのですから、これでBOSEのシグナルプロセッサはこれでも、サブウーファー用の信号を作り出すのでしょう。
アンテナコントロールは何をしているかというと、アンテナのモータ制御のほかに、BOSEのサブウーファーアンプのON/OFFを行っています。Z06は固定アンテナで伸縮はしないのですが、このラインは繋いでおかないと、サブウーファーが機能しませんので、Z06といえども、アンテナコントロールを忘れずに繋げなければなりません。
というわけで、仕組みはわかりました。これで、死んでいたサブウーファーは復活することを期待します。