CAGS Canceller

円で囲っているパーツ。これがCAGS Cancellerとか、CAGS Killerと呼ばれているデバイスです。
Computer Aided Gear Select 略称CAGSは、ある特定の水温、エンジン回転数、スロットル開度において、 2速と3速を使えなくするシステムです。これは、燃費規制対策です。アメリカでは、燃費がある一定以上悪いクルマを生産している会社に、 通称ガス・ガズラー・タックスと呼ばれる税金が課せられます。そこで、各社とも、なんとか燃費を良くしようと必死です。 オートマチック車の場合は、変速制御をコンピュータがやりますので、コンピュータのブログラム制御で燃費を改善することができますが、 マニュアル・トランスミッションの場合には、そういう事ができませんので、ある条件下である特定のギアを使えなくすることによって、 これを達成します。それがCAGS。

ところが、このCAGSが働く条件というのが、わりと普通に発生していて。ゆっくり発進して2速に入れようとすると、 4速に入ってしまうんです。エンジンはコンピュータで制御されていますから、そんな状態でもぐずることなく走るのですが、 気持ちいいものではありません。
CAGSは、トランスミッション内に設置された電磁ソレノイドをON/OFFすることによって、動作しています。そこで、 その電磁ソレノイドのコネクターを抜いてしまえば、CAGSは動作しなくなりますが、今度は、ソレノイドに異常発生と判断して、 コンピュータの自己診断機能が故障の診断を下してしまいます。

このCAGS cancellerは、ソレノイドコイルと同じ抵抗値をもつチップをコネクタ内に内蔵させ、 コンピュータの自己診断機能を騙すものです。

ところが、これがまた曲者で。
所詮は、どこかのサードパーティーでロクにテストもしないで作られたのでしょう。しばらく使っているうちに、トランスミッションの熱で、 抵抗が壊れました。壊れたときに、抵抗値がゼロになってしまうと、ショートして危険なことになってしまいますが、 幸いにして抵抗値は無限大の方に壊れたので、大事にはなりませんでした。

今は取り外しています。CAGSも普通に動作していますが、 慣れるとCAGSを動作させないように運転することもできるようになりました。今はもう、CAGS cancellerは必要ないと思っています。