もともと、キーボードの自作に手を出したのは、「かな入力」という今では少数派になった入力方式を使う自分にとって、理想的なキーボードがもう入手できない。ならば自分で作ろう、と考えたからでした。
理想的なキーボードとはどんなものかというと、ほぼこれです。
キーピッチ15mm。標準的なキーボードはキーピッチが19mmなので、かなり小さい。
そして、特殊キーを除いて、すべて15mmピッチの同じキートップ。こういう配列のキーボードは、ありそうで実はレアです。
これは1990年代に三菱が販売していたAmityというペン入力コンピュータのオプションキーボードです。左上に三菱のロゴがあります。珍しいでしょ。
私はこのキーボードを1990年代に買いあさりました。最終的に7~8枚くらいは確保したのですが、キーボードは消耗品。今は残り3枚。うち2枚は使用しているので、ストックとしては残り1枚なわけです。
昨年、自作キーボードの仕組みを知るためにキット物をいくつか作り、キーマップは試行錯誤を重ねて、ほぼ満足なものを作り上げ、実用的に仕事でも使っていました。
ただし、これは標準キーピッチの19mm。一時は、頑張って使っているうちに慣れるだろうと思っていたのですが、やはり疲労感は半端ないしタイプミスもいつまでも減りません。
ピッチの狭いキーボードを自作するつもりで、回路図などもボチボチ書いてはいたのですが、PCBのデザイン経験がないので、そこでつまづいていました。
それを再開しようと思い、久しぶりに自作キーボードの情報収集をすると、なんと、ごく一部で狭ピッチキーボードの自作ブームが起きているではないですか。そして、基板が頒布されていたので、購入しました。
これ、行ピッチは16mmの固定。列ピッチは16~18mmの可変なのです。基板をぴったりくっつければ16mmピッチ。2mm離せば18mmピッチというわけです。基板の継ぎ方によってスタッガード配列にもできます。これがあれば、自分で基板を起こす必要がない。
というわけで、これの組み立てに取り掛かりました。
この基板の作者も「かな入力」だそうです。おお、同士よ。
ちなみに、一般的なキーボードのキーピッチは19mmということになっていますが、これには人間工学的な根拠はないそうです。もともと英語圏で始まったものですから、小柄な日本人にとっても19mmが良いというはずはない。むしろ、狭ピッチキーボードこそが日本人には合っていると思います。