4月27日は世界的に427エンジンの日ということになっています。
427はエンジンの排気量を意味します。427Cubic Inches、約7000cc。
コルベットには、1966年式から1969年式まで搭載されていました。1970年式になると、排ガス規制のため、圧縮比が下げられます。このパワーダウンを補うために排気量が454ci(約7500cc)に拡大されます。
シボレー427と言えば、当時の排気量無制限だったCAN-AMレースでマクラーレンやローラなど、ほとんどの車両に使われていたことも有名です。
私の68年式コルベットは427エンジン搭載モデルです。エンジン型式はL71。3基の2バレルキャブレターを持ち、公称435hp。
435hp。今でこそ珍しくない数字ですが1960年代に435hp。同時代の日本車の最高峰、トヨタ2000GTが140psそこそこですから、いかに途方もない出力だったか。
しかし、果たして本当にそんなにパワーがあったのか。
ここに興味深い記事があります。
Early Corvette Big-Block Engines - True Power
当時の出力はグロス表記で、現代はネット表記です。補器類や減速機のロスなども含まれるネット表記の方が当然小さい値になりますが、それらの条件は車両によって異なるので、決まった換算式はありません。
この記事では、L71エンジン搭載コルベットが、C5コルベットとほぼ同じゼロヨンタイムであることを推測の根拠にして、ネット出力を推定しています。L71搭載コルベットのSS1/4マイルのタイムは13.3秒。LS1搭載のC5コルベットのタイムも13.3秒。両車の車両重量はほぼ同じなので、エンジン出力もほぼ同じだろうという理屈です。
C5コルベットはネット表記で345hp。よって、L71エンジンもネット345hp付近だという結論。しかし、C5コルベットのリアサスペンションやタイヤは1960年代のそれとは大幅に性能が良いと思うので、、私はL71エンジンの出力はもっと高いのではないかと思います。
実際、運転してみた体感馬力ですが。シャシーがへなちょこなので、以前に乗っていたZ06の405hpよりも断然怖いです。おまけにタイヤのグリップも低いので、ホイールスピンは派手ですが、うまく進みません。よって体感馬力はZ06の405hpよりも遥かに上です。正直、怖くて全然踏めませんし、あんまりやると何かが壊れると思います。
ところで、427エンジンのシリーズには、L88という型式があります。レーシングエンジンのデチューン版と言われ、公称430hpですが、これはGMがお役所の許可を得るためのごまかした、という伝説があります。実際は550hpとも600hpと噂されています。
この動画はL88エンジン搭載1969年式のC3コルベット。タイヤは、私のコルベットと同じWide-O-VALのリプロダクト品。ハイグリップタイヤでもドラッグタイヤでもありません。
それでSS1/4マイルが11.49秒って・・・ バケモノか。