2015年3月 3日

550 Spyder 配線引きなおし 06

古い配線を撤去したときに出てきた謎のデバイスを調査してみました。

まずこれ。
VW 411 941 583B
ヘッドライト・ディッパーと呼ばれるラッチ・リレーでした。ヘッドライトのパッシングとハイ/ロー切り替えを行います。
150303-01
モーメンタリースイッチをONにしたとき、ヘッドライトがOFFのときはパッシング、ヘッドライトがONのときはハイビームとロービームを切り替えます。端子配列はこれ。
relay_dni0127_contacts
30: +12V
56: ヘッドライト入力
56a: ハイビーム
56b: ロービーム
S: オープン

56に12Vが来ている場合、すなわちヘッドライトがONのとき、S端子をグランドに落とす度に出力が56aと56bの間で切り替わります。一方、56に12Vが来ていない場合は、S端子がグランドに落ちている間、56aに+12Vが流れます。

今回、ハイビームへの切り替えは4ポジションのヘッドライトスイッチで行う予定ですし、パッシングは必要ないので、このリレーは不要です。

 

次はこれ。
VDO 50/5/1
フューエル・タンク・バイブレータという名前のようです。燃料タンクのセンダーと燃料計の間に入れるもので、液面がゆらゆらと揺れても、燃料計の針がゆれないようにするもの。ローパスフィルターの役割をしているわけですが、半導体デバイスではなく、バイメタル効果を使ってメカ的にフィルター機能を実現しているらしい。
今であれば、それ用のチップを使えば簡単ですが、メカニカルな手法で実現するとは。昔の人って、本当に創意工夫に富んでいたのだなぁ、と思います。
ただ、これは壊れていたと思われます。私の550の場合、燃料計の針はクルマの動きに同期して揺れていたので、液面の高さがそのまま燃料計に出ていました。これは必要なものですが、これ自体は壊れているので、何か別の方法を考えることにします。
150303-02

 

最後はこれ。
STANLEY FCS-12
これは、検索にちょっと苦労しました。なぜなら、このリレーが使われるのは、日本だけ。私の検索言語設定が英語なので、最初は見つからなかったのです。
なぜ日本だけなのかと言うと、日本ではフロントのウィンカーが完全に点滅していなければならず、W球でパーキングライトと共用している輸入車は、そのままでは日本の車検をパスできないのです。そこで、このリレーはウィンカーの回路に電流が流れると、パーキングライトの電流を遮断するようになっています。
150303-03
こうやって使うもの。
150304-01
私の550 Spyderでは、これがリアのブレーキランプに使われていました。ブレーキランプとターンシグナルが共用されているタイプなので、ターンシグナルの電流が流れたらブレーキランプの電流を遮断するようになっていました。以前に書いた「550 Spyder 配線計画1」ではArduinoで製作しようとしていた回路です。海外では、LUCASのDB-10を使います。
このリレーも廃棄するつもりです。代替をArduinoで作ろうとしていたのですが、面倒になってきたのでVWの1960-61年式用のターンシグナル・レバーを使うことにしました。この年式用のターシグナル・レバーだけ、ウィンカー優先回路が内蔵されているので、外付けのデバイスが一切必要なくなるからです。電装系は、なるべくシンプルにしておきたいので。

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