空冷VWエンジンの世界

356 Speedsterや550 Spyderのレプリカのほとんどは空冷VWエンジンを使用しています。そこで、これらのクルマを調べていくうちに、自然と空冷VWエンジンの世界について知る事になったのですが。
正直、驚きました。空冷VWエンジンの世界ではDIYでエンジンを組む、改造するという事を、今でも多くのアマチュアが楽しんでいました。私が若い頃、今から四半世紀以上も昔になりますが、ニッサンのL型、トヨタのK型、T型などは、DIYでエンジンを組んだり改造したりということが、自動車好きの間ではごく普通に行われていました。今では、そんな事をするのは、ごく一部の特殊なマニアだけです。ところが、空冷VWエンジンの世界では、それらの行為が現役なのでした。

そして、とりあえずの知識を得るために購入した本。
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左から
「LET’S PLAY VWs」
日本のムック本です。最新のショップ情報などが欲しかったので、Amazon.co.jpで検索して、一番新しいVW本を購入しました。記事の大部分はアメリカの特に南カリフォルニアでの取材に基づくものでした。私がアメリカで住んでいたのは北カリフォルニアだったせいか、カーショウでも古いVWはほとんど見かけなかったのですが、南ではよく走っていたんだろうか。

“How to Rebuild Your VOLKSWAGEN Air-Cooled Engine”
この種で詳しい情報を得るなら、やはり洋書だろうということで、Amazon.co.jpで翌日配達になっている洋書のなかで最も文字が多そうなのを選びました。

「VWビートル & カルマン・ギア 1954~1979 メンテナンス&リペアマニュアル」
Haynesに日本語版があることを初めて知りました。びっくりです。洋書で探しているときに、Amazonのお勧めとして表示されて、その存在を知りました。これは、基本的な整備解説。上の”How to Rebuild~”はリビルドと改造について書かれているので、合わせて読むと理解が深まります。

これらを読んでいて思ったのですが、空冷VWエンジンは現代のエンジンと比べると部品点数が多いですね。それから、ベアリングキャップがなく、分割されたクランクケースがベアリングを保持するなど、組み立てにコツが必要そうな構造になっていたりします。現代のエンジンは、製造コストを抑えつつ品質を安定させるために、誰もが手順どおりに組めば出来上がるような構造になっていますが、このエンジンはそうではありません。慣れか、または丁寧な作業が必要な印象です。私にとっては見慣れないエンジンなので、そう思うのかもしれませんが。でもパーツの値段は圧倒的に安いので、失敗を繰り返しながらでも色々と楽しめそうです。