2014年8月15日

今年のK4-GPは

私にとっての夏はK4-GP。
昨日の早朝に富士スピードウェイに入り、新人ドライバーのファミリー走行への同乗、チームの2時間の練習走行、車検を滞りなく済ませました。
2時間の練習走行では、マシンの調子をみて、各ドライバーごとの燃料消費量、タイムを計測し、今日の決勝の作戦のデータベースとしました。

午前04:30
レースの朝は早いのです。スタートは8時ですが5時からリーダーミーティングがあるので、他のチーム員とは別に一人で早く富士スピードウェイに来ました。

写真は積車専用駐車場。これだけたくさんの積車が並んでいるのも、アマチュアレースで、かつ単一レースとしては世界でも類を見ない出走台数の多さならでは、だと思います。今年は140台くらいだったかな。これ以上台数を増やさないために、FUJI1000kmには、過去の出走経験が参加資格となっています。一見さんお断りというやつです。ただし、前座の500kmレースには誰でも出場できるようになっていて、それに出走すれば1000kmへの参加資格が与えられることになっています。
140815-01

1時間ほどのリーダーミーティングが終わって、ピットに行ってみるとチーム全員が来ていて、マシンの最終チェックをしていました。とはいえ、前日の車検前に整備を終わらせているので、あまりすることはなく、各機能の最終動作チェックだけです。
140815-02

K4-GPの名物は、スターターの仮装です。変則ル・マン式スタートですが、スターター役を努める人は、「サーキットにふさわしくない格好」という事が大会規則に記されています。そして、そのスターターの仮装は審査対象となり、レース結果と同時に表彰されます。
そのため、K4-GPのスタート前は独特のお祭り的雰囲気があります。
140815-03

2年前まで、我がチームは仮装に関してはやっつけ仕事だったのですが、昨年から仮装に積極的な女性クルーが参加するようになって、仮装の部分も楽しめるようになりました。
スタートポジションに並べられたうちのチームのクルマを見守るのは、「マレフィセント」。たくさんの人から写真を求められていました。私からみても、レベルが高いと思ったのですが、残念ながら受賞せず。ちなみにこの方、去年初めてK4-GPで仮装をしてくれましたが、今年はK4-GPライセンスも取得して、ドライバーとしても参加しています。
140815-04

スタート前の様子。

 

スタートの様子

 

2年前から、私はドライバーとしてではなく、監督としてチームに参加しています。うちのチームがK4-GPで順位を上げる方法を考えると、ラップタイムを縮めるより先に、レースマネジメントをきちんとする方が、効果的だろうと考えたから。
ドライバーの体調不良などに備えて、ドライバー登録も一応しているんですが、今のところ出番はありせん。
そんなわけで、これがレース中の私の仕事場です。

今年は新型の燃料消費計を導入し、webカメラを使ってInternet経由でリアルタイムに消費燃料を見られるようにしました。リアルタイムで走行中の車両の消費量がわかるので、臨機応変に給油タイミングを指示できます。
ここに座っていると、ラップ数、ラップタイム、順位、燃料消費量などがすべてわかるのて、レース中のクルマを見る必要はありません。雰囲気を感じるためと、サインボードの指示を出すためにサインボードエリアには時々行きますが変な感じです。

K4-GPの燃料補給のルールは独特です。

  1. 主催者によって決められた量しか使えません。
  2. レース中に4回以上の給油が義務付けられています。
  3. 一回の給油量は、事前に申告した量しか給油できません。もし、申告量のガソリンが入らなかった場合、次回に持ち越すことはできません。入らなかった分は永久に給油されません。
  4. 給油はパドック裏のガソリンスタンドでスタンド店員によって行われます。場合によっては、スタンドで給油待ちになります。タイミングを間違えると10分以上のタイムロスになります。

そんなわけで、給油タイミングの見極めはとても大切。給油回数を減らすためには1回の給油量は多くしたい。でも、タンク容量ギリギリに設定すると、給油タイミングの自由度がない&アクシデントに対応できない。
昨年までは、ドライバー毎に異なる一周の燃料消費量をベースに、ドライバー交代と燃料補給を同時のタイミングにすべく、事前の作戦を決めていたわけですが、事故でペースカーなどが入ってしまうと、消費量と時間の経過の関係が崩れてしまい、カンで給油タイミングを決めたりすることもしばしばでした。

今年は時間がなくて、webカメラで表示を送るという簡単な仕掛けでしたが、来年は数値データとして、車両からP-LAPと消費燃料の値を送ってもらい、ピットからはテキストメッセージを送れるようにすれば、サインボードを出す必要もなくなりますし、計時の必要もなくなります。まるで、TVでみるトップカテゴリーのレースチームと同様のことが、こんなお遊びのレースチームでも実現できるという予定。

レースはスタートして、予定通りのペースで進行していきました。
140815-06

スタート後、1時間ほどでサーキットは雨模様となりました。そのため、スピンや接触が続出。次々と、どこかを破損したクルマがピットに戻ってくるようになりました。
140815-07

スタートしてから約2時間半後。
隣のピットのクルマが前部を大破して戻ってきました。
「あらら、だいぶ激しくぶつけたみたいだ。」
なんて、他人事として眺めていたのですが、ふと気が付くと、うちのクルマが燃料を消費していない。明らかにエンジンがとまっています。サインボードエリアの計時担当に問い合わせると、戻ってこない、何かあったと思う、との返事。ただのマシントラブルであることを祈りつつ、牽引されて戻ってくるのを待っていたのですが、やがてモニターに
「T2クラッシュ。#xx(となりのピットのクルマ)と#127(うちのクルマ)の事故について審議中」
という表示が出ました。となりのピットのクルマとぶつかったのは、うちのクルマだったのです。となりのピットに様子を聞きにいくと、かなり激しくT字衝突したとのこと。

それから小1時間ほどして、レッカーに引っ張られて戻ってきたうちのクルマは、外観上は大したことなさそうに見えるのですが、サスペンションアームが曲がっていて、タイヤがボディと干渉し、ブレーキロータも割れていました。ブレーキロータを外し、スペアの小径フロントタイヤをつけることで、なんとか積車に乗せられるようにはしましたが、ブレーキがないのでレース続行は無理。この時点でリタイヤを決意して、大会本部にリタイヤ申告をしたのが、午後1時頃。
140815-08

これで、我がチームの今年のFUJI1000kmは終わりました。
2年連続でチェッカーフラッグを受けられなかったのは残念ですが、こういうこともあります。接触相手のチームもリタイアになってしまいましたが、
「来年またお会いしましょう。」
と挨拶して、お互いにサーキットを後にしました。

trackbacks

trackbackURL:

Search


Recent Entries

  1. さよならスピダー
  2. Corvette Stingray Z06の重量と価格
  3. 大室公園ミーティング
  4. Spider Last Run (May be)
  5. M.M.O.7
  6. 今年のK4-GPは
  7. 今年も出ます! K4-GP FUJI1000km
  8. とても解りにくいBMW Z4の操作説明書
  9. C7 Corvette Stingray ★★★★☆: By Jeremy
  10. 自動車メーカの度胸