2012年4月27日

上がりのクルマ その4 (前編)

これまでの記事
上がりのクルマ その1
上がりのクルマ その2
上がりのクルマ 番外編
上がりのクルマ 番外編2
上がりのクルマ その3

今日、紹介するのは上がりのクルマの大本命。
Corvette Grand Sport Reprica
です。
タイトルに前編とあるように、書いているうちにどんどん調子に乗ってきて長くなってしまったので、前後編に分けました。後編を書いているうちに、もっと長くなったら前中後編に分けるかもしれません。

120427-7現在のC6にもラインナップされているGrand Sportですが、最初にその名前がCorvetteの歴史に登場したのは1962年。コルベットの父とも呼ばれるZora Arkus-Duntovが、当時の世界のGTレースを席巻していたChelby Cobraを打ち負かすためのレースカーとして製作しました。
当初の計画では125台を製造しGTプロダクションカーのホモロゲーションを取る予定でしたが、GMが一切のレース活動を休止する方針を出したため、5台が生産されたのみで終わりました。
一説によれば生産台数は、もっとあったのですが、レース活動休止の方針によって、すべてのGrand Sportを廃棄するよう命令されたものの、廃棄を惜しんだ開発エンジニア達が自宅に隠したものがこの5台だ、とも言われています。
結局、この5台はGTプロトタイプのクラスで、プライベートとしてアメリカ国内の各種レースに参加して、大活躍します。
この5台のGrand Sportは、すべて現存していて、オーナーも明かにされています。近年では2009年にアリゾナ州のオークションに出品され、約500万ドルの値が付けられました。
この5台が一堂に会した機会はこれまでに1度だけ、2003年のAmeria Island Concoursで展示されたのみです。上の写真はその時のものです。

さて、長々とGrand Sportの歴史を語ってしまいましたが、そんな貴重なコルベットをサラリーマンの私が所有できるはずもありません。しかし、このカタチや歴史にあこがれるコルベットマニアのために、レプリカが数多く存在します。
カタチからわかるように、Grand Sportのベース車両はC2コルベットなので、C2コルベットをベースに改造したものもあるのですが、今では程度の良いC2コルベット自体が価値あるクルマなので、レプリカのベースにしてしまうのはもったいない。
そこでフレームから起こして、レプリカを丸々作っている会社が数社あります。その中で私が目をつけているのが、Mongoose motorsports社のレプリカ。この会社、一時期、GMに商標権や意匠権の侵害で告訴されていましたが和解したようで、今では”Officially Licensed Corvette Grand Sport and GTOs”という言葉とともに、GMのロゴかサイトのトップに載っています。
120427-5

気に入っているのはロードスターとなっている10号車のレプリカ。120427-6
タイヤのハイトが現代風の薄っぺたになっているのと、排気管の後ろにフレームが一部顔を覗かせているのがちょっと気に入りませんが、実車を見た限りでは、なかなか作りは良いです。価格は、Grand Sportレプリカの中では安めでベース価格が7万ドル。プラス、ドライブトレインとオプション価格が上乗せされます。これをアメリカで組み立てた後、一度現地で63年式として登録します。アメリカの自動車登録に関する法律は州によって異なるので、いまいち良くわからないところもあるのですが、どうやらレプリカは、ある一定の要件を満たせばオリジナル車と同じ年式で登録できるようです。
そして、それを日本に輸入すると、日本でも63年式として登録されるので、最新型のクルマにかかる各種規制から逃れることができます。すなわち、キャプレターで触媒なしで、ヘッドレストやシートベルトもなしで、テールランプは赤だけ、という感じ。時代に真っ向勝負を挑む姿勢です。エコカーなんか蹴散らしちゃうもんね。
まぁ、年にわずかしか走らないキャブレター&触媒なし(でも合法)の趣味車より、黒煙モクモクだったり過積載て道路をへこませているトラックを取り締まるほうが、世の中のためというものです。

 

つづく。

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