2011年9月12日
Mustang GT 5.0 週末インプレ その1
待ちに待ったという感じの週末。普段はオフィスとホテルとランチの往復にしか使っていませんが、週末はドライブを楽しみました。
まず外観なんですが、
全長4.78m
全幅1.88m
400馬力オーバーのクルマとしては小柄と言っていいでしょう。特に海辺の写真を見て感じてもらえると思いますが、このカタマリ感がいいですね。カッコいいですよ。
前回のChallengerはアメリカ車らしい伸びやかなラインが良かったですが、それとは対照的です。
ブルーのボディカラーに白のレーシングストライプというアメリカのナショナルカラーもイケてます。ちなみに、このストライプは塗装ではなくステッカーでした。前回のChallengerのストライプもステッカーでした。耐久性が気になるところです。
エンジンフードのインテークっぽいバルジや、リアタイヤ直前のインテークはフェイクです。日本のクルマ好きの人たちの中にはこういうフェイクのエクステリアをバカにする傾向がありますが、私は雰囲気を盛り上げる重要な演出だと思います。そもそもクルマの外観に機能を追求しすぎた結果、日本車のようなどこのなんていうクルマだか判別できないようなデザインばかりになってしまったわけで、演出として理解できなかったことを反省すべきです。60年代のアメリカ車のテールフィンは、クルマの機能に何も寄与しませんでしたが、デザインとしては素晴らしかったでしょう。ああいうものを理解できる文化がなかったのが日本の自動車メーカやユーザーだったと思います。
ボディ剛性は必要にして十分。比較で言えばChallengerの方が剛性感が高いですが、Mustangもまったく不満はないレベルです。
山坂道を走らせてみると、
この写真。運転席から撮っていますが、バルジの盛り上がりが視界に入っていて、雰囲気がいいでしょう?どうせ、制限速度は決まっているんだし、性能は十分に高いので、あとは普通に走っているときに感じられるこういう演出が必要なんです。
足回りはかなり締め上げられていますが、不快ではありません。絶妙のセッティングです。40代も半ばになると、固い足回りが辛くなってくるのですが、これはまだ我慢できる範疇です。
それからCorvetteだと車高が低すぎてコーナーの路面のうねりでスポイラーを擦ったり、サスが底付きしたりすることもあるのですが、Mustangは車高があるために、ストロークが十分にあって、不安がありません。サーキットではCorvetteの方が断然速いと思いますが、荒れたりうねったりしている公道の山坂道ではMustangの方が速そうです。
エンジンとトランスミッションのマッチングもいいです。GT5.0は本来6MTが標準みたいですが、これはレンタカーなのでトルコン式のATです。横Gがかかっているコーナーリング中はパーシャルスロットルでドドドトと鼓動感のある感じで、出口が見えたところでスロットルを開けるとヴァーンと猛烈に加速するアメリカ車特有の走り方ができます。コーナーリング中に高い回転数を保って回るヨーロッバ式とは、また別の味があって楽しいですよ。アメリカ車が好きな人は、ここに惚れるんですよね。
走りに関しては、前回のChallngerより好印象です。
エンジンは、V型8気筒5.0L、アルミブロック、アルミヘッド。
エンジンルームは残念ながら色気なし。しかしなんと、DOHCの32バルブです。Corvetteは車重を軽く、そして重心位置を低くという大命題があるのでOHVなのですが、車重や重心位置にあまりこだわりがないMustangの場合は、マーケティングの観点からDOHCに進んだのかな、と個人的に思ってます。
よくあるエンジン解説記事で、DOHCの方が高回転まで回るゆえに高出力だというのがありますが、理論的にはそうであっても現実ではDOHCとかOHVといった形式の違いはあまり関係ありません。その証拠に、このエンジンは7000rpmがリミットですが、OHVであるCorvetteのエンジンも7000rpmがリミットです。また、Le MansやALMSのGTクラスで常勝のCorvette RacingはOHVですが、ポルシェやフェラーリよりも優勝回数が多いです。というわけで、フォードのDOHC化は、ユーザーへの訴求ポイントとしての役割が強いのではないかと思います。
最高出力は412馬力で、私のコルベットZ06よりも高出力なのですが、そこまで速くないと感じるのは、たぶんコルベットよりも200Kg以上重い1,635Kg車重のせいだと思います。でも、十分に速いし、スロットルを全開にするには、トラクションコントロールのおかげで暴れることこそありませんが、それなりの覚悟が必要です。
つづく。
- by arai
- at 14:44