2011年9月21日

American Le Mans Laguna Seca その4

ALMSのトップカテゴリーは、LMP1やLMP2と呼ばれる、スポーツ・プロトタイプ・レーシングカーですが、ALMSの人気を支えているのはGTクラス。
LMP1やLMP2を熱心に観戦しているのはレース好き。GTクラスを応援している人は、レース好きというよりはクルマが好き、という印象があります。なぜならば、GTクラスのクルマは、自分のクルマの延長線にあるからです。自動車メーカもそれを理解していて、GTクラスに出てるクルマのオーナーには、こんな特典があります。

 

110920-1
ここは、サーキットのインフィールドに用意された、コルベット専用駐車場。こういうのをCorralと言います。
手前の白いCorvetteは、Ron Fellowsモデルです。399台だけ生産されたレアコルベットです。

 

 

110920-2
Corralにあるテントでは、レースの模様が中継されているモニタがあり、飲み物や軽食などが提供されます。また、ここでGMやCorvette Racingの重役挨拶があったり、コルベット・エンジニアとの交流が持てる場でもあります。

 

110920-3
ここは全部コルベット。こうやって、オーナー気分を盛り上げるわけです。ただし事前登録は必要です。

 

 

110920-4
もちろん、コルベット以外のCorralもあります。これはポルシェCorralです。コルベットより若干小さめ。
他にも、ジャガーとBMWのCorralがありました。フェラーリも多分どこかにあると思うのですが、見つかりませんでした。

 

現代のスポーツカーは、性能的にはどれを選んでも、間違いはないレベルに達しています。雑誌の比較記事などで優劣を付けることはあっても、通常のドライバーの腕ではその程度の優劣の差はまず関係ないと言えます。では、何でそのクルマを選ぶのかというと、気持ちです。雑誌記事であのクルマより速い。レースで速い。歴史がある。そのクルマが持つ背景に満足感が得られるかというのが、実は非常に大きな要素です。
ALMSのGTクラスでは、そういった背景を作る場所でもあるのです。だから、こうやってオーナーを集めて、メーカ側のVIPが来て挨拶したり、情報交換や交流の場を設けるのです。
スポーツカーはイメージです。性能ではありません。性能は良いイメージを作るための手段の一つでしかありません。性能の良いクルマを作るだけではなくて、そのクルマが持つ背景や歴史、あるいは姿勢といったものを積み重ねて、イメージを作ることが、良いスポーツカーの条件だと思います。
日本の自動車メーカは、その姿勢が弱いんじゃないかな。クルマの性能は良くても、ホレることのできる背景が、世界の名車と呼ばれるクルマと比較すると少ないのだと思います。

trackbacks

trackbackURL:

Search


Recent Entries

  1. さよならスピダー
  2. Corvette Stingray Z06の重量と価格
  3. 大室公園ミーティング
  4. Spider Last Run (May be)
  5. M.M.O.7
  6. 今年のK4-GPは
  7. 今年も出ます! K4-GP FUJI1000km
  8. とても解りにくいBMW Z4の操作説明書
  9. C7 Corvette Stingray ★★★★☆: By Jeremy
  10. 自動車メーカの度胸