2009年11月 4日

CORVETTE ENTHUSIAST DEC./2009

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クラッシック・コルベットの楽しみ方は、大きく二つに分かれています。一つは現代の部品を積極的に取り入れて、クラッシックでありながらパフォーマンスを追求する楽しみ。もう一つは、オリジナルのコンディションを至上とし、なるべく発売当時の状態で保存する努力をする楽しみ。
今月は、ZR1に関連した二つのクラッシック・コルベットが取り上げられています。
一つは表紙絵のC2で、これはクラッシックというよりリプロダクション。市販されているパイプフレームにC4の駆動系を取り付け、エンジンにはC4のZR-1用のLT-5を搭載しています。すなわち、先に紹介したクラッシック・コルベットの楽しみ方の前者の方。
もう一つは、走行わずか290mileのC3の72年式ZR1。すなわち後者の方です。日本ではあまり紹介されていないのですが、このオリジナルを至上とする方がアメリカではメインストリームとなっていて、それは非常に徹底しています。アメリカにはNCRSという団体があって、ここがクラッシック・コルベットの記録を管理し、鑑定し、クラス分けを行っています。したがって、市場に出てくるクラッシック・コルベットはNCRSのどのタイトルを持っているかが、重要になります。こういうしっかりした管理団体があるクルマを、私はコルベットしか知りません。クラッシック・フェラーリですら、単一のきちんとした管理団体が組織されているわけではありません。そういう意味でも「コルベットは特別」と自動車業界で言われているのは納得できます。
オリジナルを至上とするわけですから、日本でクラッシックカーに対して行われる「レストア」という作業は、減点になります。塗装にクラックが入っていようと、フレームに錆が浮いていようとも、リペイントしたりしてはいけません。そういう場において、走行たったの290mileという、ほとんど未走行のコルベットが発見されたのは、非常に大きなニュースです。しかもC3のZR1はC4やC6のZR1と違って、誰でも買えるものではありませんでした。当時のZR1はレースカーとして売られていて、オーダーに関しては、時のチーフエンジニアのダントフとシボレーの中央オフィスの承認がなければ受け付けてもらえなかったというものです。
コルベットは、こういった歴史をひもとく楽しみ方もりあるのです。

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