C6 Corvette
01/03/2004
ここ一年、アメリカのコルベットマニアの間では、次の世代のコルベット、すなわちC6がどんなクルマになるのか、が話題の中心だった。一年以上も前から、C6をテーマにしたwebサイトが立ち上がり、数多くのフォーラムが出来ていた。C6は、1月4日のデトロイトでお披露目されることになっているが、すでにGMからは公式発表があったらしく、いくつかのwebサイトでC6の情報が掲載されている。
ここでは、それらのwebサイトからの情報を元に、C6コルベットを紹介する。
これが、C6コルベット。
各所に、C3、C4、C5のキャラクタラインを見ることがでる。伝統のリトラクタブルライトが廃止され、固定式になったのは、軽量化とコストダウンのためだと思われる。
世の中のクルマが、なぜかブ厚いフロントノーズのデザインが主流になる中で、C6のデザインはスポーツカーの正統派を保っているのが好感が持てる。低くて長いフロントフード、そしてショートデッキ。これぞスポーツカーというデザインだ。
第四世代スモールブロックと言われるLS2エンジン。
LS1の5.7Lから、ボアを広げて6.0Lにし、400hp@6000rpmを出す。当初、6.0Lになったと聞いたときには、いわゆる350のstrokerで、383にしたものかと思ったが、そうではなかった。ブロックは新設計。ヘッドはLS6タイプを使っている。
完全に新設計された前後サスペンション。
C5-Rからのフィードバックだそうだ。C4以降、コルベットはサスペンションに非常に力を入れていて、一流のコーナーリングマシンとなっているが、今回は、それに更に磨きがかかった。新設計されたシャシーのテーマもハンドリングだというし、かなり期待が持てる。
内装は、かなりおとなしくなった感じ。もう少し、スポーツカーらしく攻撃的なデザインでも良かったのではないかと思う。
遅ればせながら、コルベットにもナビゲーションシステムが純正装備されるようだ。アメリカでは日本ほどナビゲーションシステムが一般的ではない。
伝統のZ51パッケージのフロント・ブレーキローターは13.4インチとなる。ホイールサイズはフロントが18インチ、リアが19インチ。超扁平タイヤとなるので、段差などには気をつけなければならない。でも、コルベット乗りにはたいした問題ではないだろう。アメリカの道路の舗装は、日本と比べるとだいぶ悪いのだが、このタイヤサイズでも実用的な乗り心地を確保しているとのこと。
以上、C6の概要をザッとお伝えした。もっと詳しく知りたければ、やがて多くの雑誌で特集が組まれるだろうから、それを楽しみにして欲しい。
アメリカ市場において、コルベットのライバルはポルシェであり、ポルシェのライバルはコルベットだ。コルベットのスタンダードモデルは、ポルシェの自然吸気エンジン搭載車が、コルベットのZ06モデルは、ポルシェのターボモデルが直接のライバル関係となるが、アメリカの多くの自動車雑誌が伝えているようにサーキットパフォーマンスにおいてすでにポルシェはコルベットの敵ではない。どのテストでもコルベットの圧勝である。
また、価格においてもコルベットはポルシェの1/2から1/3の価格だ。コルベットが勝てないのは、ポルシェのステータスだけだ。
今回のC6では、スタンダードモデルにパフォーマンス・パッケージをチョイスしたZ51モデルですら、現行C5のZ06モデルとほぼ同等のサーキット・パフォーマンスを発揮するという。現行C5のZ06モデルはポルシェターボのパフォーマンスを凌駕しているから、C6はスタンダードモデルでも、ポルシェターボと互角に戦えるということになる。はたして、ポルシェはこれにどう対抗するのだろうか。ここ数年のアメリカ市場におけるポルシェは、パフォーマンスでコルベットに対抗することをやめて、価格の高さからくる社会的ステータスを売り物にしているように見える。C6の登場で、ポルシェのそういった戦略がますます加速され、走り屋のクルマだったポルシェは、いつの間にか金持ちのクルマというレッテルを貼られてしまうのではないかと心配になる。
C6にも、数年すればかならずハイパフォーマンス・モデルがラインナップされるはずだ。その時のライバル車は、一体、何に設定されるのか。今から非常に楽しみだ。
現行のC5もそうだが、今度のC6は世界で最もコストパフォーマンスの高いスポーツカーであることは、間違いない。