17th West Coast Nationals
08/13/2003
恒例のGoodguysのイベントをレポートする。今回は、再び、ホットロッド中心のイベントとなった。展示方法に少し変更があり、以前は車両展示とショップが完全に分離していたのにたいして、今回は混在するかたちになっていた。これは、ショップにも多くの人を呼び込もうという主催者側の作戦だろう。個人的には、悪くない配置だと思う。
ホットロッドと言うと、見た目だけ、直線だけという印象が強いが、実はそうではないと思っている。このクルマが、その良い例だ。
日本では、スーパーセヴンという種類のクルマを持っていたので、どうしてもこういうタイプのホットロッドが気になるのだが。このクルマ、カラーリングは非常に地味(というか未完成なのかも)だが、よ〜く各部を観察すると、実はオールマイティなのではないかと思われる。
まず、全体的なバランス。車両の前後、オーバーハング部分には、まったく何もない。そして完全なフロントミッドシップである。フロントミッドシップであっても、二人乗りであるために、ホイールベースとトレッドの割合は、わりと常識的な数値になっている。そしてフレームの上のボディはFRP製。このクルマのエンジンは不明だが、例えば第3世代V8と言われるオールアルミのLS-1などを積んでいれば、車重は700Kgそこそこに抑えられそうな感じだ。
コルベットのLS-1ならノーマルで350hp。ちょっといじってやれば400hpも簡単だ。そして、この時点でパワー/ウェイト・レシオは2Kg/hpを切れるだろう。
これがフロントサスペンション。きちんとしたダブルウッシュボーンに、なんとダンパー&コイルはオンボードである。
そしてこちらは、リアサスペンション。こちらもきちんとした独立懸架になっている。すなわち、足回りは完全にレーシングカーなのである。アーム類の剛性さえしっかりしていれば、この太さのタイヤをきっちり接地させることができる。
2Kg/hpの心臓に、この足回り。こういうのと公道で互角に走れるのは、スーパーセヴンか超高級スポーツカーぐらいだろう。
家庭用エンジンベンチ。
ラジエター、燃料タンク、燃料ポンプ、バッテリーと各種計器が付いている。今時のインジェクションエンジンをこれで回すことはできないが、キャブエンジンであれば。、これで回すことができる。O/Hや改造したエンジンをクルマに積む前にチェックしたり当たりをとったりすることができるわけだ。
アメリカはこういうものまで家庭向けに用意されているのがすごいと思う。
これはフレームメーカーのブース。こういうフレームの上にFRP製のボディを載せれば、ホットロッドになるわけだ。
フレームの作りはガッチリしていて、剛性は高そう。溶接の仕事も綺麗である。GMやフォードの作ったフレームと言っても疑わないだろう。
写真のやつは、リヤにナローデフを入れるタイプなので、ドラッグレース用である。
改造ラジオフライヤー。
ラジオフライヤーの改造パーツ専門ショップのブースのものだ。クルマ好きの知人で、小さい子供がいる家などに贈り物として最適かもしれない。
こういうのも、見た目だけではなく、侮れない性能を持っていると思う。
フロントサスペンションは、しっかりとダブルウィッシュボーンになっているのがわかるだろうか。
そして、リアはリジッドだけど、クイックチェンジが入っている。これから見ても、このクルマはコーナーリングではなく、ドラッグ性能重視に作られていることがわかる。しかし、車重は軽そうだし、エンジンはいくらでも強力なものを積めるのだから、普通のクルマではこれに勝てないだろう。
スーパーチャージャーなんていうのも、ここではまったく珍しくない存在。
よく見れば、奥のエンジンはヘミだなぁ。
今日、一番カッコイイと思ったのがコレ。
リアのドラッグスリックの迫力がいい。これでちゃんとナンバーが付いているのである。ボディは地味だが、綺麗なメタルフレーク塗装。こんなので街中走るのは注目を集めるだろうなぁ。
ところで、オーナーさん。タイヤが汚いです。展示するときは、タイヤの踏面もちゃんと綺麗にしましょう。他のクルマはタイヤにだって、ゴミ一つ付いていません。
フロントビューは、ノーマルのままのリジッドのサスペンションが情けない。これはダブルウィッシュボーンにして、ラジエター部分も、カッコイイカバーを作りたいところ。
あと、エンジンも綺麗にしようね。
これは、何の説明もなく、ただ普通に止めてあったクルマだが、なんとなく普通のホットロッドと違う感じ。コックピットより後ろが何か長いのかなぁ。なんて思いながら後ろにまわってみると。
なんと、ミッドシップに改造されていた。どうやら、ホイールベースを伸ばして、リアミッドシップにしたらしい。たしかに、ドラッグレースにはこちらの方が断然有利になるし。
しかし、こんなのがポンと、ただ置いてあるだけなのが凄い。
これは、何だかよくわからないが、やたらとデカイクルマ。クルマを眺めている人と、クルマの大きさをよく見比べると、その大きさが実感できるだろう。なんだか変なクルマだが、面白い。
サイドドラフト4基、ダウンドラフト4基の、ツインチョークウェーバー8基がけのV8エンジン。こんなのが、まともに回るわけはなく、インテークマニホールド屋の技術力アピールのための展示品だ。こういう無茶な注文にも応じられますよ、というわけだ。
何度も行っているGoodguysのイベントだが、行くたびに新しい発見がある。
次回は11月。ちょっと用事があるので、行けるかどうか微妙なところだ。