NASCARの人気
12/26/2002(記)


コルベットに興味がある人は、ほとんどの場合アメリカンカルチャーにも興味を持っているので、"NASCAR"の名前くらいは聞いたことがあると思う。または「ストックカー・レース」と言えばピンとくる人がいるかもしれない。NASCARはNational Association for Stock Car Auto Racingの略で、ストックカーレースを統括している団体名である。日本では紹介されることが少ないレースであるが、アメリカでは大人気のレースとなっている。その人気は、日本でのプロ野球に相当すると言っても過言ではないだろう。TVCMでNASCARレーサーを見ない日はない。多分、TVCM出場回数では、NBA(バスケットボール)、NFL or AFL(アメリカン・フットボール)、NHL(アイスホッケー)、大リーグなどの選手よりも断然多いだろう。
写真はNASCARの人気の高さを示す証拠の一つ。これは、UPSの書類デリバリー用の封筒である。UPSはNASCARの人気ドライバーDale Jarrettが運転する#88のメインスポンサーとなっており、Official Express Delovery Companyということだ。UPSというのは、全米規模の宅配便業者であり世界規模のネットワークを持っている。日本ではアメリカの宅配業者というとFedexの方が有名だと思うが、アメリカではFedexのトラックよりはUPSのトラックの方がよく走り回っている。
こんな感じで、NASCARのドライバーやクルマはありとあらゆる商品の宣伝に利用されているため、アメリカでは非常に知名度の高いモータースポーツとなっている。アメリカの3大スポーツイベントとして、昔はスーパーボウル、ワールドシリーズ、ケンタッキー・タービーの3つが挙げられていたが、最近ではケンタッキーダービーの代わりにデイトナ500を挙げるのが普通のようだ。Daytona500は、フロリダのデイトナにあるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで2月に行われるNASCARシリーズの初戦。このレースは全米に生中継される。2002年には、冬季オリンピックと日程が重なり、中継放送局も重なったのだが、アメリカではその日はオリンピックの中継はせず、デイトナ500の中継をしたことからも、デイトナ500がいかに人気のあるレースなのかが想像できるであろう。4年に1度の、しかも自国で開催されているオリンピックよりも優先されるのである。
ちなみに、日本で人気の高いF1は、アメリカではまったく人気がない。F1という自動車競技そのものを知らない人も珍しくないくらいだ。