CROSS-BAR
07/17/2002
僕は、C4コルベットの最大の弱点はシャシー剛性が弱いことだと思っている。C4が発表された当時のアメリカ車の水準からすれば、かなりの高剛性シャシーだったのだが、シャシー設計技術の進んだ現在においては、はっきり言って弱い。レクサスを運転した後に、コルベットに乗り換えると悲しくなるくらい弱い。これが、コルベットの品質を悪く見せている一つの原因だと思っている。アメリカ人も同様に考えている人はいるようで、最近になってC4コルベットのシャシー剛性を補強するアフターマーケットパーツがいくつか発売されている。
それらのパーツの中から、Corvette Forumで評判の良いCross-BARを購入してみた。これは、R-D Racing Enterprisesの製品で、シートベルトのショルダーアンカー用のタップを利用して、その部分を結合する。ショルダーアンカーのタップは、シャシーに直接切ってあるので、シャシーの補強になるわけだが、はたしてこの部分を左右連結することによって、どの程度の剛性向上が期待できるのかは疑問に思う。とは言え、無いよりはマシだろうということで、取り付けてみることにした。
Corvette Forum Mallを通じて、R-D Racingに注文して、ちょうど一週間で届いた。実は、同時にCamber-Braceも注文したのだが、これについては、また別途説明する。
届いたのが、これらの部品。左右を連結する角パイプとブラケット。材質は全てスチール。一番応力がかかる、シートベルトアンカー部のブラケットは、曲げの部分にガセットが入っていて、一応剛性については考慮されているようである。
取り付けは簡単。シートベルトのショルダーアンカーを外し、プラケットを付属のボルトで共締めする。このボルトはT-50のトルックスが使われているので、これを用意しておく必要がある。また、この部分のタップは、先に説明したようにシャシーに直接切られているため、万が一にも崩してしまうと大変。ショルダーアンカーなので、思いっきり締めたいところだが、非常に危険なので、締め付けは必ずトルクレンチを使うことを勧める。指定トルクは96年式の場合で50Nm。年式によって違うと思うので、かならず自分の年式の締め付けトルクを確認すること。もう一箇所、ルーフのストレージホルダーのボルトに共締めするブラケットがあるのだが、この部分のボルトは弱い。ボディ剛性に寄与できる構造になっているとは思えないので、あまり強く締めないようにする。強く締めすぎると、樹脂が破損するだろう。
この手の製品にありがちな、穴が合わないといったようなトラブルはまったくなかった。本当にボルトオンで取り付けは完了する。丁寧に作業して30分といったところだ。
取り付けると、こんな感じになる。後方視界を妨げることはないし、運転の邪魔になることもない。また付属品でカメラブラケットが付いているので、競技に出たりサーキット走行で自分の走りを録画しておきたい人には便利だろう。
肝心の効果につしいてだが、会社の通勤に使っている程度ではハッキリと体感できない。段差の乗り越えや、路面のうねりなどの状態でも、特に違いは気がつかない。まあ、予想はしていたのだが。
もしかすると、サーキット走行などでは、体感できるのかもしれないが、街乗り程度ではハッキリとした違いは感じられず、費用対効果の割合は、あまり良くないと言える。